新規事業に活かせる勉強 (高専編)
こちらの記事は、 高専OBOG Advent Calendar 2019 【14日目】の記事です。 https://adventar.org/calendars/4238
私は高専卒業後、新規事業責任者として新卒入社しました。 現在、プロダクトオーナーとして、C向けのサービスを運用しています。
今回の読者のターゲットは現役高専生に絞って書きました。
「この勉強は将来役立つのかな…」
「どうせなら会社で活かせる勉強がしたい…」
「役立つ資格があったら知りたい…」
今回、そんな方々のために高専できちんと勉強しておくと、社会人になって特に役立つ事を記事にまとめました。
せっかく仕事で活かせる単元なのに、単位は取ったものの、就職後「こんなことなら真面目に勉強するんだった」と後悔することになります。 ちなみに、この現象は意外に少なくありません。
社会人になると、学生のように授業中に内職したり、放課後アルバイトをしたり時間を自由にコントロールしにくいので、いつまで経っても「やった方がいいんだろうけどなかなかできない」状態が続く傾向があります。
いま学んでいることが、将来どのように自分の仕事を手助けしてくれるのか、意識するのとしないのとでは授業を受けるモチベーションも配属後のスタートダッシュも変わってくるので、是非参考にしてみてください。
目次
前提
前提1:職種を絞る
これは持論ですが、どんな勉強が就職後役立つかは入社後、研修が終わって配属が決まるまで分かりません。
というわけで今回は、"新規事業"という仕事をするという人に絞った場合に、役立てる勉強を紹介します。 下記の内容を学生のうちに身に付けて準備しておくと、事業責任者としての成長スピードを速くすることができると思います。
噛み砕くとこんな仕事をする人
- 起業家
- 経営者
- 新規事業責任者
- 社内起業家(イントレプレナー)
- ゼロから事業を立ち上げる
- 開発マネージャー業務
前提2:情報電子工学科に限る
役立つ単元については、私の成功体験に基づいているため、母校の徳山高専(山口)の情報電子工学科シラバスから抽出します。
単元部門に加えて、活動部門も書いているので、情報系以外の方もページを閉じずに最後まで読んで頂けると嬉しいです。
本題
役立つ単元や活動をランキング形式で発表していきまーす!🏆
N位 単元名(役立つ場面)
学ぶ意義
という記載をしていくので、単元と役立てる場所を紐付けながら、ふむふむと眺めてみてください。
単元部門
1位 集合と論理(思考プロセス)
集合演算はユーザやニーズの切り口、命題の問いを立てるための前提知識が得られる
2位 情報数学(構造化)
考えを理論に落とし込むときに、◯◯Mapや木構造を使うことが多い。その際に関係の概念やグラフ理論がとても活きる
3位 データベース(データベース構築)
プロダクトオーナがデータベースやSQLを扱えるか否かはアイデアを実際にソリューションに落とし込む場面でスピード感が全く違う
4位 アルゴリズムとデータ構造(データベース構築)
探索によって得られる分析力の基礎、特にサービスのデータベースを組む際にデータ構造の知識は必要不可欠
5位 ソフトウェア工学(開発マネジメント)
チーム開発する上での開発技法や設計方法の知識は必ず必要な知識。強いチームが作れる。
6位 確率(ユーザ分析)
ユーザの継続率や利用率などのデータ分析に大きく役立つ
7位 統計学(データ分析)
ニーズ調査などの際に、母集団と標本については理解しておくべき。
また、単回帰分析なども利用ユーザの傾向を読み取るためにスマートに考えられる
8位 哲学(論理的思考)
レポート作成時の論理的思考によって、世の中の課題を構造的に言語化する能力が養われる
9位 知的財産論(ビジネス立ち上げ)
シンプルに経営に役立つ。特許を深く学べるのもこの単元が一番楽に学べる
10位 コンピューターの基礎知識(ITリテラシー)
基礎的な内容だけど、シンプルに事務作業に役立つ
11位 心理学(顧客理解)
サービスがありふれてる世の中、顧客目線、行動心理学などを使ってどれだけ気持ち良いUXを創り込めるかがキーになってたりする
12位 基礎プログラミング(仕様決め)
フローチャートが扱えることによって、思考プロセスや仕様のすり合わせが断然に楽になる
事業オーナーがプログラミングの知識がある方が、エンジニアと心地良いコミュニケーションがしやすい
14位 システム数理工学(問題解決力)
システム思考や問題解決方法は不確実性の高い時代に何が求められているのか考える際に便利な知識
以上、新規事業に役立つ単元部門でした!
単元と共に、学ぶ意義を書きましたが、超絶かんたんに説明しているため、不十分かもしれません。
結局の所、1年と5年の単元が一番仕事で役立てている傾向がありますね。
基礎的な知識と最新技術の元になっているような実践的な内容が多いように思います。
ちなみに順位付けが意外に難しかったので、ランキング前後で価値の大きさに対して差はないです。笑
ランキングに入っている時点で、将来得をする単元に間違いありません。
活動部門
1位 卒業研究(個の力とプレゼン能力)
新規事業に役立つ研究内容は、機械学習を扱うものや画像/言語処理系だと思います。 プレゼン能力もちろん投資家の説得のために必ず必要になります。
高専生の中でも、コンテストへの参加有無が新規事業を行うことにおいてはキーになったりします。 同じように起業したり、事業責任者になっている人は大学サークルや個人開発でものづくりを経験している人が多いです。
もちろん、やりながら学ぶこともできますが、高専のうちにチーム開発しておいて良かったなと思っています。
3位 アルバイト(高専外)
就職先が、高専枠での採用だったり、高専生が多い企業だったりする人もいるかもしれません。
しかし、高専生は自覚しているより偏った価値観や考え方をしています。
一般的な大学生や高校生などと接点があるアルバイトをすると、社会人になっても広い関わりを持つことができます。
そして、逆を言うと、高専同士じゃないと仲良くなれない民が意外に多いということです。(あくまで私の周り)
まだまだ高専の知名度も低いので、自分の学校がどういう位置づけなのか、どんなことが学べる学校なのか、など俯瞰的な説明ができるように整理しておくのも、オススメです。
以上、活動部門でした! 情報系高専生じゃない方でも、これらにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
新規事業の挫折ポイント
ついでに新規事業をやっていく中で、乗り越えなければならない、いくつかの壁を紹介します。
やると決めたことをやり切れない
孤独でやる気を失う
価値あるサービスの考え方が分からない
仲間が集まらない
顧客が全然サービスを使ってくれない
これらを乗り越えるポイントとしては、
- 未知である自分を受け止めること
- 過信せず、実験と思って失敗に慣れること
- 自分の考えで意思決定すること
- フレームワークや他人に学ぶ姿勢を忘れないこと
- 常に謙虚であること
ざっと上記のことが、大事な信念かなと個人的に思います。
まとめ
今日から自分にできそうなことは何なのか?
今回の記事に書かれてないけど、高専で学ぶべきことは他にもたくさんあります。
自分で考える力、判断する力、人を動かす力がある人はどんどんキャリアも上がっている印象があります。
それは同時に、給料やキャリアに高専時代の成績は大きく相関していないということです。
弊社のアドベントカレンダーでは、自分のチームマネジメント方法について書きました。 既にプロコンや個人開発などをしている方はこちらも読んでみてください。
📝新規事業チームのマネジメント方法を開発部分に絞ってまとめてみたhttps://blog.engineer.adways.net/entry/advent_calendar_2019/09
最後に自己紹介
ニックネーム:もちゃ
最近、都内の新築マンションを購入しました。
いつか情熱大陸に出演することが夢な22歳独身女性です。
仕事にのめり込んでたら、友達が減りました。
アドベントカレンダーを頑張ったご褒美に、友達を募集させてください(TwitterやInstagramのフォロー待ってます。笑)
アカウント情報
- Twitter:毎日やってる
- Instagram:ストーリーしかやってない
- facebook:就活終わってから動いてない
- Matcher:就職活動のお手伝いしてまーす
- 読書メーター:つまみ読みしている本たち
それでは引き続き高専OBOGのアドベントカレンダーをお楽しみください!